なごり雪
汽車を待つ君の横で
ぼくは時計を気にしてる
季節外れの雪が降ってる
東京で見る雪はこれが最後ね」と
さみしそうに君がつぶやく
なごり雪も降る時を知り
ふざけ過ぎた季節のあとで
今 春が来て君はきれいになった
去年よりずっときれいになった
動き始めた汽車の窓に
顔をつけて
君は何か言おうとしている
君のくちびるが「さようなら」と動くことが
こわくて下を向いてた
時が行けば 幼い君も
大人になると 気付かないまま
今 春が来て君はきれいになった
去年よりずっときれいになった
君が去ったホームに残り
落ちてはとける 雪を見ていた
今 春が来て君はきれいになった
去年よりずっときれいになった
去年よりずっときれいになった
去年よりずっときれいになった