水面に映る青い空
涼やかな木もれ日はまどろみ誘う
目を閉じる… 想いはせれば
過ぎ去りし日の気がかりがふとかすめる
陽だまりのようなあの日々も
今はもう薄れゆく時のかなた
穏やかに流れていた
どうしてひとりはぐれてここにいるのか
導かれるようにやさしく運ばれ
うつろいをくりかえす 人はみな夢の旅人
ふいに飛び立つ水鳥よ
一面の静けさがさざ波たつ
舞いあがる迷いなき群れ
別れも告げず明日はどこへ行くのか
ひがな一日うららかに
さめやらぬ夢のまま歩きだすよ
ふりむけば陽炎の道
ゆらゆら揺れるその向こうはもう幻
旅立つ胸にも緑芽ぐむころ
人気ない水辺にも ひそやかに風立ちぬ