夏の終りに
せみの声も もう聞かれず
蚊取り線香もいらなくなった
ぼくの部屋の扇風機も
もうずい分 疲れたみたい__
せっかく焼いた体も
すっかり皮がむけて
森や草木の緑も
色あせたみたい__
ギラギラ光る太陽も
何故かへ行っちまって
遥かな思い出のような
海と空の青さ__
★誰にも話さない
誰も解からない ぼくの夏
ビーチサンダルのタールの汚れが
氷ミルクの味と一緒に
ひとつひとつ思い出されて
またひとつひとつ消えてゆく__
何だか悲しいみたいで
涼しくなって「ホッ」としたような
でもなんだかやっぱり淋しいみたいな
そんな夏の終り__